THE 百年宿

THE 百年宿

#02

百年建築 木造三階建て旅館編②

 

100nen00_img03_title

連載第2回は、前回に引き続き「木造三階建て旅館編②」です。長野県の田沢温泉にある「ますや旅館」と、熊本県最古の温泉といわれる日奈久温泉にある「旅館 金波楼」をご紹介します。どちらの宿も登録有形文化財に指定された建物を有し、今では希少となった木材や時代の名工が手掛けた意匠など、大人の旅を彩る珠玉の物語が詰まった歴史ある日本旅館です。

100nen02_ct01_hd

標高700mの山間に建つ、島崎藤村ゆかりの宿。
子宝の湯としても知られ、金太郎こと坂田金時が
この地で産まれたという伝説も残る。

文:金井幸男

100nen02_ct01_img01

かの文豪も愛した湯に浸かり、山間の眺望を愛でる。

屋に端を発し、江戸は文禄から宿としての歴史を持つ旅館。数度の改修を繰り返し、現在の姿になったのは明治元年のこと。登録有形文化財に指定される木造三階建て高楼と白壁の土蔵が、築一〇〇余年の歴史を感じさせる。
無名時代の島崎藤村が逗留し、「升屋というのは眺望のよい温泉宿だ。湯川の音の聞こえる楼上で〜、遠く浅間一帯の山々を望んだ。」という一節を、作品『千曲川のスケッチ』内に記した。彼が使った机なども現存しており、藤村の間にて確認できる。
また田沢温泉には、山姥が湯治に訪れ、金太郎を産み落としたという伝説も。「ますや旅館」の風呂はすべて源泉かけ流し。じっくり“伝説の湯”を満喫したい。

100nen02_ct01_point01

100nen02_ct01_img02

100nen02_ct01_point02

100nen02_ct01_img03

100nen02_ct01_logo01


ますや旅館(ますやりょかん)

【住所】〒386-1601 長野県小県郡青木村田沢温泉2686
【料金】12,000円〜(1泊2食・サ込)
【電話】0268-49-2001 (代表)
www.masuya-1ban.com


100nen02_ct02_hd

約1000坪の広大な敷地に三層楼の宿。
登録文化財に登録された歴史ある空間と
日奈久温泉の湯に、ほっとひと息。

文:山下皓平

100nen02_ct02_img01

開湯から600余年。“歴史の湯”を有する薩摩街道の要所の宿。

から六百年ほど前、一四〇九年に発見された熊本県最古の温泉であり、湯治場として栄えてきた日奈久温泉。この温泉郷のなかで最も規模が大きく、そして贅を尽くした旅館として長きにわたり歴史を刻んできた老舗だ。
国の登録有形文化財として登録されているその建物は、約一〇〇〇坪の敷地に建てられた木造三階建てのなかに、わずか十四の客室を配した贅沢なつくりが特徴。桜や有田焼といった数々の極上の素材で彩られた客室は、素朴な純日本建築を意識しながらも至る所に職人のこだわりが詰め込まれている。
九州・熊本の厳選食材を使った会席料理や、女性にうれしい美肌効果のある温泉、そして歴史ある建物を心ゆくまで楽しみたい。

100nen02_ct02_point01

100nen02_ct02_img02

100nen02_ct02_point02

100nen02_ct02_img03

100nen02_ct02_logo01


旅館 金波楼(りょかん きんぱろう)

【住所】〒869-5134 熊本県八代市日奈久上西町336-3
【料金】13,000円〜(1泊2食・サ込)
【電話】0965-38-0611 (代表)
www.kinparo.jp


ISBN978-4-575-45557-1 (1)


THE 百年宿

このWEBで紹介する「百年宿」は、こちらのMOOKでまとめて読むことができます。日本各地に点在する23施設、創業100年以上の老舗宿。建築、料理、温泉、おもてなし……確かな価値のある宿だけを厳選。

 

 

 

 

THE 百年宿
バックナンバー

その他のTRAVEL

ページトップへ戻る

ページトップへ戻る