ジビエな旅【GIBIER】

ジビエな旅【GIBIER】

#02

にし阿波の“ジビエ街道” ① 【徳島県】-TOKUSHIMA-

「阿波地美栄」を満喫!

徳島県産の安心安全でおいしい野生の鹿・猪肉が「阿波地美栄」だ。
徳島県では県産の食材と調理した地域色豊かな料理を出す店を「うまいよ! ジビエ料理店」に認定。
県西部「にし阿波」の三好市と東みよし町エリアは認定店が多くまさに“ジビエ街道”である。


とりの巣カフェ 
―徳島県・三好市―
Torinosu Café [Miyoshi Tokushima]

絶景を眺めながら
絶品の鹿肉ドライカレーをいただく
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鳥の巣をイメージしたという、スパイシーな「阿波シカのドライカレー」。
サラダや地元産ブルーベリーの手作りジャムが添えられたヨーグルトも付いて880 円。通年の提供。

し阿波は、四国第2 の高峰、剣山をはじめとした山々を抱き、林業も盛んなところである。「とりの巣カフェ」のオーナー大久保冨美さんの実家も林業を営む。
 店は2015 年5 月のオープン。お父さんが目利きした地元木材でつくったウッドハウスにはスギの丸太やヒノキなどの角材が使われ、テーブルやカウンターも無垢のケヤキだ。樹齢は約150 年とのことで、厚さも20 センチ近くある。
 木の温もりいっぱいの店では、お麩のグラタンやそば米のリゾットなど地の食材を使ったおいしくて身体に優しい食事に、そばのシフォンケーキなどのデザートがいただける。阿波地美栄料理なら、鹿肉を使ったドライカレーがオススメ。19 種類のスパイスと、根菜やキノコがたっぷり入ったヘルシーな一品である。鹿肉の持つ滋味がスパイスでさらに際立ってくる。
 店からは吉野川の支流がつくる美しい渓谷が望め、すばらしい眺望とともに阿波地美栄が堪能できる店である。


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左)大きな窓ガラスのため店内からもすばらしい景観が望める。 中)笑顔が素敵なオーナーの大久保冨美さん。 右)レジ横には「うまいよ! ジビエ料理店」の認定書が。

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そば米トマトリゾット(830 円)にはミニサラダと、一見ガーリックトーストのようなお麩のラスクが。お麩は娘さんの嫁ぎ先でつくっているもの。

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「鳥の巣カフェ」 Torinosu Café

【住所】徳島県三好市山城町大野496-3
【電話】0883-86-2650
【営業】10:00 ~ 18:00、水曜休
http://torinosucafe.com/

 

 

 


地の食材と一緒に食べると
さらにおいしい阿波地美栄

歩危(おおぼけ)と下流の小歩危(こぼけ)は吉野川中流の景勝地だ。切り立った崖が両岸に迫り、間を吉野川が流れる。日本有数のラフティング・スポットとしても有名で、その大歩危に臨む「珈琲館おおぼけ」では、牛肉とも間違うような鹿肉の他人丼ぶりがいただける。
 また、吉野川の支流、祖谷(いや)川上流にある「旅の宿 奥祖谷」では、鹿肉のカツとコロッケが乗った鹿カレーが人気。味も値段も大満足の阿波地美栄だ。

珈琲館おおぼけ 
―徳島県・三好市―
Coffee Kan Oboke[Miyoshi Tokushima]

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薄くスライスした鹿のモモ肉を使用した他人丼ぶり。高温で調理すると少し臭うが低温で調理。まったく臭わない。通年提供。セットで1050 円。

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吉野川の横を走る国道32 号線沿いに建つ。山の湧き水を引き、その天然水で淹れたコーヒーが自慢。山小屋風の落ち着いた店内からは大歩危の景観が楽しめる。

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「珈琲館おおぼけ」 Coffee Kan Oboke

【住所】徳島県三好市山城町
下名369-3
【電話】0883-84-1433
【営業】9:00 ~ 20:00、
無休(臨時休業あり)

 

 

 

旅の宿 奧祖谷(谷口食堂)
―徳島県・三好市―
Tabi noYado Okuiya [Miyoshi Tokushima]

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一口カツとコロッケの乗った鹿カレープレート(830 円)。コロッケには祖谷豆腐のオカラも。ゴウシュイモが見た目も味も引き立てる。通年提供。

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ゴウシュイモは東祖谷名産の在来種のジャガイモ。小ぶりだが味が濃く煮くずれしない。赤と白の2種類があり「源平いも」とも。平家落人伝説の残るこの地ならでは。

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「旅の宿 奧祖谷(谷口食堂)」 Tabi noYado Okuiya

【住所】徳島県三好市東祖谷京上161-3
【電話】0883-88-2045
【営業】11:00~18:00、日曜休
http://www.okuiya.jp/

 

 

 


つづき商店 
―徳島県・三好市―
Tsuzukishouten [Miyoshi Tokushima]
 

祖谷名物のそばと
鹿肉の竜田揚げが絶妙にマッチ!

島県は瀬戸内海と太平洋に臨み、海と山両方の幸が楽しめるところだ。「つづき商店」のある祖谷は山の幸の宝庫。そばやコンニャク、かたくて岩豆腐とも呼ばれる祖谷豆腐や、特に東祖谷でつくられるゴウシュイモなどが名物である。
 日本三大秘境の一つといわれる祖谷には平家落人伝説も残る。それを思わせるような地名、京上(きょうじょう)があり、各所に平家由来といわれるものが伝わる。
 当時、ここに落ちのびてきた平家の武士たちも鹿や猪を射止めて食したことだろう。店でいただける阿波地美栄も「平家御膳」というネーミング。ニンニクが効いた鹿肉の竜田揚げと打ちたての祖谷そばに、コンニャクやそのとき採れた地の野菜や山菜などの天ぷらが付く。
 この辺りでそば粉を挽くときには「粉ひき節」を唄う。女将の都築麗子さんの美声を聞きながら、当時に思いを馳せ、阿波地美栄をいただくのも一興である。

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「平家御膳」にはゴーヤの甘露煮やリンゴやカキの天ぷらも。その他、祖谷豆腐やゴウシュイモも。旬の食材はほとんどが自家製。通年で提供(1000 円)。~。

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つづき商店では「古式そば体験塾」も開いている。粉を挽いて打って、茹でて一部をいただく。都築さんの「粉ひき節」で思い出深い体験になりそう。食事プラス5 食分の持ち帰りで3000円(予約制)。

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「つづき商店」 Tsuduki Shouten

【住所】徳島県三好市東祖谷若林84-1
【電話】0883-88-5625
【営業】予約制、定休なし

 

 

 

 

 

祖谷渓のように深い味わいの鹿肉料理を楽しむ

 

国で2 番目に長い吉野川は、高知県の山間部を発し、徳島県内を西から東へと流れ海に注ぎこむ。「四国三郎」の異名も有する暴れ川で、下流部に肥沃な徳島平野をつくった。
 中上流部は深い谷が刻まれ、うっそうとした森が続く。大歩危小歩危もその一つだ。支流の祖谷川も見事なV 字渓谷で、「祖谷渓」と称され名勝になっている。
 その渓を見下ろす崖の上に建つのが「和(な)の宿 ホテル祖谷温泉」である。自前の温泉は湯量が豊富で、約170 メートル下の祖谷川に臨む露天風呂には宿専用のケーブルカーで下りる。
 ここの阿波地美栄は、じっくりローストした鹿のロース肉にワサビのジュレがかかったもの。それとレアな焼き加減の鹿肉に特製醤油ダレがかかったどんぶりの2 種類。宿泊者でなくても祖谷渓に臨む絶景レストランでいただける。
 宿の近くには祖谷渓名物の小便小僧も立つ。かつて、ここで地元の子供たちが度胸試しをしたという場所である。


和の宿
ホテル祖谷温泉
 

―徳島県・三好市―
Nanoyado Hotel Iyaonsen [Miyoshi Tokushima]

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祖谷地美栄BOL(1100 円)は、白髪ネギとレタスが、特製タレのかかった鹿肉をさっぱりとマスキング。鹿肉は噛むほどに旨みが口の中に。通年提供。
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祖谷渓の深い森で獲れた鹿は滋味豊か。「祖谷地美栄( 鹿肉)ローストわさびジュレがけ」はわさびが決め手(1300円)。通年提供。

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左)部屋は純和風と和モダン。露天風呂付きの部屋も。1 泊2 食付き19590 円~(2 名利用時の一人料金)。 中)レストランから季節ごとに変化する祖谷渓のパノラマが望める。 右)源泉かけ流しの露天風呂では祖
谷渓の美観を愛でながらくつろげる。

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左)宿名物のケーブルカーは42度の傾斜を5 分ほどかけて上り下りする。 右)小便小僧は宿から徒歩数分のところ。ほぼ垂直のような断崖絶壁の上に立っている。

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「和の宿 ホテル祖谷温泉」 Nanoyado Hotel Iyaonsen

【住所】徳島県三好市池田町
松尾松本367-28
【電話】0883-75-2311
【営業】11:00~16:00(レストラン)、無休
http://www.iyaonsen.co.jp

 

猟師が主人の民宿に泊まって阿波地美栄を堪能する

 

 野川は、大歩危小歩危を抜けると下流の池田町で大きく右にカーブする。その後は徳島県内を東西に進むが、三好市や東みよし町界隈では川を境に、北は猪、祖谷渓などの南は鹿が多いのが特徴である。「民宿うり坊」が位置するのは東みよし町でも吉野川の北、標高約300メートルの山中だ。森に囲まれた里と山のちょうど境で、周りはまさに猟場。猟師でもある主人の木下正雄さんが捕まえた猪のフルコース料理がいただける。
 敷地内にある処理施設で木下さん自ら解体処理をするため、鮮度はもちろん味も抜群。臭みがまったくない。揚げものや炒めもの、煮ものなどとともにメインでしゃぶしゃぶをいただくが、臭みのない猪肉だからこそできること。近くの森でドングリやキノコなどを食べた猪の旨みがはっきりとわかる。
 宿の前に広がる自家畑で採れた野菜やそば、コンニャクなども出され、ここではヘルシーな田舎料理が、極上の猪しゃぶしゃぶとともに楽しめる。

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「由布院燻製工房 燻家」

【住所】大分県由布市湯布院町川西240-5
【電話】0977-85-5086
【営業】9:00 ~ 18:00
(L.O.17:00)、火曜休
http://ibusuke.com/

 

日本のジビエを味わうグルメな旅と極上の店
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「GIBIER(ジビエ)」


森の恵み、感動のジャパニーズジビエ73品

・ジビエな旅 1 北海道
・巻頭インタビュー 服部幸應
・東京ドームホテル総料理長・鎌田昭男がつくる クラシック・フレンチな一品
・ジビエな旅 2 山梨県
・東京特選ジビエ渾身のひと皿10軒
・ジビエな旅 3 徳島県
・特別寄稿 山本益博「フランスジビエの旅」
・東京在住のフランス人が通うジビエのおいしい店
・ジビエな旅 4 大分県
 ほか

 

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