旅とメイハネと音楽と

旅とメイハネと音楽と

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はじめに

文と写真・サラーム海上

旅とメイハネと音楽と

 

 2016年に入ってから、僕は2冊の書籍『イスタンブルで朝食を オリエントグルメ旅』(双葉文庫)と『MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティー』(LD&K)、さらに2冊の個人Zine『SouQ』の合計4冊の新刊を出版することになった。フリーのライターを始めて16年、新刊がこれほど短期間に重なったのは初めてのことだ。
 中東料理については『イスタンブルで朝食を』とシリーズ前作の『おいしい中東 オリエントグルメ旅』(双葉文庫)の2冊で合計約1000ページを使って思いの丈を出しきった。現時点でもう付け加えるうんちくはない。もうしばらくは中東に行く必要もないのかもしれない。
 しかし、懲りないもので、『MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティー』の発売日直前の5月中旬に9日間だけだが、またまたトルコを再訪することにした。今回の出張の目的はカッパドキアの野外で開催されるフェスティバル「カッパドックス」(http://cappadox.com)の取材、そして、8ヶ月ぶりのイスタンブルで音楽と料理の定点観測だ。
「カッパドックス」は基本的に音楽が中心のフェスだが、カッパドキアの歴史散歩や郷土料理のワークショップなども行われる。一度に音楽も料理も楽しめるとは願ったりかなったりだ。イスタンブルに戻ってからも、友人たちが誰も知らないようなローカルなトルコ料理を出すお店に案内してくれたり、料理自慢の友人たちを紹介してくれることになっているから新しいネタにも事欠かなさそうだ。
 トルコから帰国した後は夏いっぱいは本のプロモーションのため、中東料理レクチャーや料理イベントで、都内だけでなく日本全国を回ることが決定している。
 その合間、7月には2年ぶりにモロッコのジャジューカ・フェスティバル(『イスタンブルで朝食を』第3章参照)を訪ねることにした。2013年、2014年と2年連続で訪れたので、昨年は行かずにいたが、今になってジャジューカ村が恋しくて仕方なくなった。村人の家に泊まり、寝食をともにしながら夜通し強烈な宗教音楽と儀礼を体験するのだ。普通のフェスとはワケが違う。
 ジャジューカの後はモロッコ北部山中にあるシャフシャウエンという、青色に塗られた建物で有名な小さな町を訪れる。訪れた人によると、何もない小さな町なので1泊すれば十分とのことだが、僕はあえて3泊くらいはするつもりだ。何もない町で何するでなくぼんやりするなんて、日本にいたら絶対にできないことだからだ。そして、モロッコの帰りにはロンドンに立ち寄り、中東料理とインド料理の最前線をチェックするつもりだ。

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 その後、8月は毎年の定例行事として徳島の阿波踊りを訪れ、ついでに岡山や神戸など、西日本数カ所でも中東料理イベントを開く。そして、8月末には青森からも呼ばれている。これまで東北地方は仙台までしか行ったことがなかったから、北限が一気に延びる!
 日本の地方都市ではその土地ならではの食材を中東料理に応用するのが楽しい。これまで徳島では木頭村の柚子を使い、岡山ではぶどう、愛知県の安城市ではシャコをつかった。青森ではどんな食材が待っているのだろうか?
 近頃はSNSなどで知り合った農家の方から、ビーツやイタリアンパセリ、白や黄色いにんじんなど、珍しい野菜が東京の自宅に送られてくるようになった。農家の人たちも新しい野菜の美味い食べ方を模索していて、中東料理の僕のところまで声がかかるようになったのだろう。

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 そんなわけで「本を出したらその仕事は終わり」のつもりでいたのだが、実際は「本が元となった新たな仕事が次々とやってくる」ということらしい。
 そんな折にスタートするこの連載、これから訪れる中東やインドで出合うだろう料理や音楽、風物だけでなく、日本全国津々浦々回って出合う珍しい料理や音楽、風物まで徒然なるままに取り上げていくことになるだろう。 

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 なお、連載タイトルの真ん中にある僕の顔マークは、Zine 『SouQ』の年間購読者特典で作ったマグネットのデザインで、評判良かったので転用してスタンプも作成させてもらった。クラウドファンディングのパトロンへの新刊サイン入れを700冊も行ったときも、普通のサインだけではつまらないからということで、このスタンプを捺した。ぜひ、お見知りおきを!〈 portrait by SHOICHIRO MORI™〉

*著者の最新情報はこちら→「サラームの家」http://www.chez-salam.com/

*本連載は近々スタートです。お楽しみに!

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サラーム海上(サラーム うながみ)

1967年生まれ、群馬県高崎市出身。音楽評論家、DJ、講師、料理研究家。明治大学政経学部卒業。中東やインドを定期的に旅し、現地の音楽シーンや周辺カルチャーのフィールドワークをし続けている。著書に『おいしい中東 オリエントグルメ旅』『イスタンブルで朝食を オリエントグルメ旅』『MEYHANE TABLE 家メイハネで中東料理パーティー』『プラネット・インディア インド・エキゾ音楽紀行』『エキゾ音楽超特急 完全版』『21世紀中東音楽ジャーナル』他。Zine『SouQ』発行。WEBサイト「サラームの家」www.chez-salam.com

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