ステファン・ダントンの茶国漫遊記

ステファン・ダントンの茶国漫遊記

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はじめに

ステファン・ダントン

 「フランス人が日本茶専門店?」2005年に東京・吉祥寺に「おちゃらか」をオープンした頃からずっといわれ続けるこの言葉。美食の都・リヨンの花屋の息子として育った私は、鮮やかな色彩や香りとともに人生を味わうことを自然と身に付けた。幼い頃から読書が好きだった私は、歴史や地理だけでなく、イマジネーションを広げ、形にする方法を本から学んだように思う。飲食にまつわるすべてをリセで叩き込まれた私がソムリエの道を選んだのは必然だった。そんな私が目指したのは、憧れの日本。そこで出会った美しい自然とすばらしい人々。中でもリヨン近郊のワイン畑とよく似た茶畑の風景を見たときの懐かしいようなときめきが、私を日本茶の世界へと誘った。
 日本茶は、静岡や京都が有名だけれど、実は新潟から九州まで広く生産されている。日本茶に魅せられた私は、ときには電車で、ときには車で茶産地を訪ね歩いた。自分の目・鼻・口の感覚を頼りに、本とノートを入れた赤いボストンバッグを担いで。
 そんな旅の様子を振り返りながら、フランス人の私の目を通して見た日本のありようをお伝えしていきたい。

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ステファン・ダントン

1964年フランス・リヨン生まれ。リセ・テクニック・ホテリア・グルノーブル卒業。ソムリエ。1992年来日。日本茶に魅せられ、全国各地の茶産地を巡る。2005年日本茶専門店「おちゃらか」開業。目・鼻・口で愉しめるフレーバー茶を提案し、日本茶を世界のソフトドリンクにすべく奮闘中。2014年日本橋コレド室町店オープン。2015年シンガポールに「ocharaka international」設立。2017年路面店オープン予定。著書に『フレーバー茶で暮らしを変える』(文化出版局)。「おちゃらか」http://www.ocharaka.co.jp/

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