三等旅行記

三等旅行記

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はじめに

「私は宿命的に放浪者である。私は故郷を持たない」

 

昭和6年の晩秋、『放浪記』で知られる女流作家・林芙美子は同作で得た印税を手に巴里へと旅立った。
東京を出発し、釜山へ渡り、ハルピン、モスクワ、ベルリンと約1万5千キロ。
日中戦争開戦前夜のきな臭い空気が漂う中、当時としては珍しい女一人旅。
一体、彼女はその旅で何を想い、何を感じたのか。
帰国後、その旅の記録は、『三等旅行記』というタイトルで出版された。
長らく絶版となっていた知られざる旅行記がいま蘇るーー。

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林 芙美子

1903年、福岡県門司市生まれ。女学校卒業後、上京。事務員、女工、カフェーの女給など様々な職業を転々としつつ作家を志す。1930年、市井に生きる若い女性の生活を綴った『放浪記』を出版。一躍ベストセラー作家に。鮮烈な筆致で男女の機微を描いた作品は多くの人々に愛された。1957年に死去。代表作は他に『晩菊』、『浮雲』など。

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