<時間旅行>戦前日本の日記

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昭和8

:静岡県在住の小学生の日記。1933年1月11日

おそらく高等小学校の学生なので12,3歳くらいだろうか。diary259


ーーーー よし子さんと並んだ。自分には○○○(?)がない。自分は唯一窓を開けて居くと前を通る男の人に自分の顔を見られる。それがいやなのだ。よし子さんが二年のあや子さんは「逸子さんはとくだね史郎さんあるいていろゝやってくれるので」と自分の悪口を言ったと言う。自分は常日頃好いていないあや子さんを一そうにくんだ。昨日も図画を書いている時、自分の方をとてもいやな目でみていたと言う。あんなやつがいばりかえって大将になって部下を支配している。書方の時間にうまく書けたと言って先生にほめられた自分は少しもうれしくなかった。みなが自分をねたむから自分はそんな小さな心なのである。 ほめられたりいろゝするので顔が赤くなる。顔がぽかゝと上気してしまう。 みなも血の多い顔になったと。女というは赤くなるのだ。又それがよいのだ。農業の時間にも桜井先生が自分の家の人の事まで言う。そしてこんな事も言った。此の級でも五,六人ませた大人びた子がいるが多くの人が無じゃ気なのでそれをあらわす事はできないのでよい○(?)といろゝな事を言う。自分の事を言われているような気がして赤くなった。家へ帰って早稲田講義をちょっとみた。そこに低能な女子は柔弱な男子を好くという事が出て居た。自分ははっとした。自分も柔弱な男子を好いているのだ。誰かそれは心の扉にかぎをかけてしまっておこう。 ーーーー


diary28他人の目や男性が気になるお年頃の女の子。悩んでいる事は現在の少女となにもかわりがない。


【昭和8年の出来事】 1月 ヒトラーが独首相になりナチス政権樹立  2月 『蟹工船』の小林多喜二が特高警察により逮捕。拷問により殺される  3月 三陸地方大地震。津波により多くの被害が出る  9月 伊勢丹が神田から移転し新宿に出店

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