<時間旅行>戦前日本の日記

<時間旅行>戦前日本の日記

昭和8

:百貨店に勤務している25歳の男性。#戦前の日記 #1928年7月14日

25歳の男性。独身。兵庫県の西宮近辺に在住。百貨店に勤務しているようだ。12月15日と同じ人物。
diary2016.7.14


ーーーー 今日は仕事のことで宝塚へ行く。西宮で前の川野さんに会う。奥さんになってからの川野さんだ。 今晩は宝塚に活動写真がある。私は留守番。懐かしい声あり。 もう本当に会わない方がいい。会う毎に幻滅を感じるのだすれば、否、会う毎に心をかき乱されるものとすればもう会いたくない。年月の経つにつれてお互いの間はもっと大きな隔りが出て恐ろしい幻滅は私を待って居るに違いない。 もう会いさえしなければよいのだ。 会いたくない。 もう会わない方がいい、と思う心の底はまだ私は駄々っ児のなって居たいのだ。会うまい、会うまいと思う心の強ければ強い程反対の心持ちが動いているのではないか。 然しもういくら会ったとて其の為に心が乱されて哀しい。 哀しい想いはしても嬉しい結果を得ることは出来ないのだ。 会わない方がいい。 会わないで居てどうなるかは知らぬ。 会ったとてどうにも成るものでない事は知って居る。 今晩は押し入れの中の本を揃えた。 ーーーーー


好きな女性に対して、会いたいけど会いたくないという気持ちを綴っている。戦前の男性はとかく・男らしい・と想われがちだ。しかし、日記に書き残した本音ではセンチメンタルだったり女々しかったりと、いまの男性となんら変わらない。


【昭和3年主な出来事】 1月 大相撲ラジオ実況放送開始  5月 済南事件。日本軍が山東省済南で国民政府軍と衝突  6月 張作霖爆殺事件  8月 パリ不戦条約調印  10月 蒋介石が国民政府首席となる  11月 昭和天皇の即位の礼

<時間旅行>戦前日本の日記
バックナンバー

その他のJAPAN CULTURE

ページトップアンカー