<時間旅行>戦前日本の日記

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昭和6

:地方の裕福な家庭に育ち、東京に憧れる10代後半の男性。 #戦前の日記 #1931年5月30日

17~18歳の男性。新潟県在住。彼の家はそれなりに裕福な家庭のようだ。旧制中学を卒業後、稼業の手伝いをしているが、本人は進学をするかどうか悩んでいる。5月26日と同じ人物。
diary2016.5.30


ーーーー 十日町落成創立5周年記念式に出席。鈴木荘六大将閣下来臨す。 多くの人々の祝詞があって式を閉ず。終わって祝賀会。 久しぶりに旧学友に会って学生らしい晴れ晴れとした気分になった。馬場表のやって来たのには驚いた。彼は早大の高等師範部に入ったのだと言う。現代文壇の将星と談論したり講義を聴いたりするのだと云う。実際羨ましくてならない。自分はやっぱり都に行かねばならぬ。こんな刺激の少ない田舎に老人の如く柔弱な生活を送るということは吾ながら寂しい。余りに意気地のない事である。強く男らしい生活を私は営みたい。 都に行って本との自分をためさねばならない。そこに自分の存在を知り価値を知りたいとそう思った。 夜提灯行列を見にゆく。皆同じく若い旧学友と歩く。若いものの思っていることは皆一つなのであろう。若い女、それにのみ魅力を感ずるのである、きっと。 ーーーー 


地元で無為に暮らす男性は、旧友が東京に出て楽しそうに生活をしているのを聞いて、それが羨ましくてならないようだ。自分も東京に出たいとの思いを新たにしたようだが、それは実現するのだろうか。 都会に憧れ、異性を求める、そのあたりはいつの時代の若者も同じだ。 文中に出てくる、鈴木荘六は、日本陸軍に在籍していた軍人で日清、日露戦争に従軍、尼港事件では大きな軍功をあげ陸軍大将にまで登り詰めた人物。新潟県出身で地元の英雄であったために式典に招待されたのであろう。


【昭和6年の出来事】 3月 陸軍中堅幹部たちの政治結社「桜会」によるクーデターの計画が発覚(三月事件)  4月 スペイン国王アルフォンソ13世が亡命。スペイン第二共和政が成立  8月 羽田飛行場(後の東京国際空港)開港  8月 イギリスでマクドナルド挙国一致内閣成立  9月 柳条湖にて満州事変勃発  10月 軍部内閣樹立クーデターが発覚し 桜会の橋本欣五郎中佐らを拘禁。(錦旗革命事件)  11月 大阪城天守閣再建  12月 犬養毅内閣成立

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