<時間旅行>戦前日本の日記

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昭和3

:恋や友情に悩む23歳の男性。自殺を考えるも死にきれず…。 #戦前の日記 #1928年5月18日

22歳の男性。旧制第八高等学校文科乙に在学していたが、この4月より帝国大学に入学。危篤だった姉が死去。11月30日1月22日3月4日3月19日4月3日4月5日4月7日4月8日4月11日4月28日と同じ人物。
diary2016.5.18


ーーーー 僕はとうとう死ねなかった。まだ命はお預けだ。死神は口惜しがると思う。だが勘弁してくれと思う。そう長く待たせはしないから。父さんや母さんの死ぬまでだ。僕はそれまで生きる。何でもかんでも生きる。そして父さんや母さんを満足させるような仕事を何かやる。所謂有名な人になるように努力しよう。その無意味なことは知りすぎる位知っている。でもやりたい。父さんや母さんの為に。それは自分の為でもない。まして天下国家の為ならん、そんなばかな考えの為でもない。僕は父さんや母さんを満足させる為努力する。何もかもすて「死」さえ捨てたのだ。その為にはいやな○○(?)へ入らなければならないのかもしれない。又は○○○○(?)の俗塵にまみれねばなるまい。でもいいさ。 ーーーー


普段は恋や映画を楽しんでいる学生の彼はたまに落ち込むと、しばしば自殺への強い憧れのようなもの仄めかす。実はこの前年に、小説家の芥川龍之介が自宅寝室にて睡眠薬ベロナールとヂエアールをもちいて自殺している。そして、それに感化された若者たちが同じように自殺をするという事件がいくつか起こっている。彼もそんな風潮に影響されていたのかも知れない。


【昭和3年主な出来事】 1月 大相撲ラジオ実況放送開始  5月 済南事件。日本軍が山東省済南で国民政府軍と衝突  6月 張作霖爆殺事件  8月 パリ不戦条約調印  10月 蒋介石が国民政府首席となる  11月 昭和天皇の即位の礼

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