<時間旅行>戦前日本の日記

<時間旅行>戦前日本の日記

昭和1

年:陸軍に所属する男性の日記。年齢不詳。おそらく20代。1938年2月9日

中支那方面軍所属。いわゆる南京事件の最中にいた。この時は南京に入城し駐屯している。12月10日11日1月16日の日記の続きとなる。
diary2016.2.9


ーーーー 愈々明日は出発する。○○縣も今日で見納めだろうと想って散歩がてらぶらりと出掛けた。裏の城壁より城内を見渡せば家○○(?)果てから果て迄見える。広がった四十日間の○○(?)。明日は永遠の別れと想うと一抹の寂しさを感ずる。それより又避難民区へ足を運ばせた處が昨日城内へやって来た避難民千四百人でまるで一ぱいだ、戦果の渦と化した我が家に幾カ月振りかで来て見れば家は破れ家財道具は何一つとしてなき有様に口もきけず涙さえ流れている。あゝ敗戦国民の哀れさよ。三時頃舎内へ帰り明日の出発準備をなして夜九時頃寝に付いた。 ーーーー


南京での戦闘も一段落し、いよいよその地を去る前日の日記。南京市内に住んでいた人達は、この頃には戻ってきていたようだ。「敗戦国民」という記述から当時の意識では、もはや戦争は日本軍の勝利で決したという意識であったのが分かる。


【昭和13年の出来事】 1月 女優岡田嘉子が杉本良吉と共に樺太国境を越えてソ連に亡命  3月 ナチス・ドイツ、オーストリアを併合  4月 日本で国家総動員法公布  6月 日中戦争にて日本軍の進撃阻止のため、中国国民党が黄河の堤防を爆破。河川が氾濫し数十万の住民が水死  10月 ナチス・ドイツがチェコスロバキアからズデーテン地方を割譲  10月 日本軍、広東、武漢三鎮占領

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