<時間旅行>戦前日本の日記

<時間旅行>戦前日本の日記

昭和7

:昭和モダンと呼ばれる文化が隆盛の頃、東京市の郵便局に勤務する 20代の独身男性。#1932年3月12日

11月11日1月1日1月10日1月19日1月31日2月13日3月3日の日記と同一人物。独身。夜学にも通っていたようだ。
diary2016.3.12


ーーーーー 春雨来る。朝からどんよりした陰気な天候具合。昼頃からとうとうやって来た春の雨……なんとも云えぬ気分。春の雨も又静かな情景にして呉れる。 吉田君と旅行の話、記者の事を愉快に語る。一日特急列車に乗った気分でつばめ号の進行時刻を見る。朗らかな彼Y君。……相当な年になるだろう。かえりに小林さんからの話によると二十五か六との由。無理もない……。 かえり神保町から日大までテク。雨の中を徒歩。途中大工だと云う小僧さんに傘に入れてもらい共に……。話によると千住の労働館に居るとのこと。もし仕事がなかったら食べるものも得られず室代が三日もたまると出なければならないとの話。思わず同情の念起きる。然し考えて見れば危険な事だ。警戒すべし。広い東京どんなやつが居るかわかならないからだ。 ーーーーー


昭和初期の東京では昭和モダンと呼ばれる文化が花開いていた。日記を書いた青年も、友達と遊んだり恋をしたりと楽しげな日々を送っている。しかし、その一方では、日々の生活に困窮する若者もいる。傘に入れてくれた少年がいた労働館というのは、当時多数あったという木賃宿のことだろう。日記の主はそこに住み日雇いの大工として働く少年の身の上に同情しつつも、「警戒すべし。広い東京どんなやつが居るかわかならないからだ」と書き留めている。


【昭和7年の出来事】 1月 大相撲春秋園事件  1月 第一次上海事変  2月 上海にて陸軍兵3名が爆弾を抱え的に突撃し爆死。爆弾三勇士と呼ばれる  3月 満州国が建国宣言  5月 五・一五事件。犬養毅首相が殺害される  11月 米大統領選挙で民主党ルーズベルトが現職フーヴァーを破り当選

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