<時間旅行>戦前日本の日記

<時間旅行>戦前日本の日記

明治3

年: 北海道の歩兵第26連隊に所属する陸軍兵士。1901年12月31日

12月1日より軍務に就いている。おそらくは20代前半。 2015.12.31


ーーーー 午前ヨリ外出ヲ許サル。午前十時予芋(?)三名、今中尉、川辺少尉殿ニメサレ将校集会所隣リノ応接所ニ行キテ種トナル談話並ニ饗応ニ預カル此處ニテ一堂昼食ス。昼食続クヤ会食セラレタル第三中隊菊地直人殿ノ談訓アリ。 [菊地大尉殿ノ礼法談] 君等ハ先日モ立食ノ饗応ニ出タガ、アルヨリ一層言○?高尚ナル立食ニ行イテ大イニ注意セヌト笑ワルル事ガ沢山アリマスノデ第一ニ日本人ノ癖トシテ自○ノスキノ物ヲ沢山取リ来タリ或ハ肉ヲ切ルモ騒ガシキ音ナドサセ亦(マタ)食スルモ口ヲ聞キナガラスル者がアレバ大イニ見苦シイ凡テ礼法ハ一度注意セラルレバ直リ明ルモノノダ 午後一時半ヨリ屯営近傍ヲ週歩ス [本日ノ天候]朝ヨリ結ウマデ快晴入営以来始メテ見ル所ナリ [世紀一九〇一年]内閣ノ交送モアリ経済界ノ恐慌アリ、北清事件モアリ甚ダ変事アリシ年ナリ。己レハ亦書生生活ヨリ軍隊生活ニ変入シ錯雑ナル事ノミ心ニ浮カビシ故ニ二十世紀ノ初一年モ甚ダ短クノミ感ジタリ。 ーーーー


書生から軍隊生活に入ったという日記の主は、おそらく一年志願兵制度によって入隊したのと思われる。この制度はある程度の教養と学歴がある志願者の中から選抜された者が、短期間で予備役将校になるよう教育を受けるというものだ。そんな彼は極寒の北海道にて軍隊生活を始め(前日の日記には凍った菜漬けを食べたというエピソードも。興味のある方は日記画像を参照)、連日、講義や訓練を行っている。この日は一年の最後の日のために訓練などはなかったが、上官らの立食パーティーに招かれ食事のマナーなどを教わったようだ。 日記の最後では一年を振り返っているが、北清事件(義和団の乱)のことに触れているように、当時は国際情勢は緊張感を増している時期だった。日本もロシアとの対立が深まり、それは1904年からの日露戦争へと繋がっていく。


【明治34年の出来事】 1月 イギリス自治領のオーストラリア連邦が成立  2月 官営の八幡製鉄所操業を開始  5月 幸徳秋水らが社会民主党を結成  9月 清が英国・仏国・米国・ロシア・ドイツ・日本などの11国と北京議定書を調印。それにより外国軍隊の北京駐留を承認。  12月 伊藤博文が日露協商交渉開始するも交渉不調で破談

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