<時間旅行>戦前日本の日記

<時間旅行>戦前日本の日記

大正8

: 家業を手伝いながら学校に通っている彼は文学を志しているようだ。10代後半の学生の日記。1919年3月8日

11月1日1月6日2月22日に掲載した日記と同一人物。
diary2016.3.8


ーーーー 曇、後雨 今朝も稍(やや)早ク起キタ。六時二十五分頃也。一句ヲ得ル。風に起くれば空どんよりと曇りをり。ソレヨリ文ト中兄ト三人ニテ蒲鉾ニスリ製造ス。文ハ昨日庚申サマダカラ留(?)やへ贈答○(?)ヲ遣リ乍ラ藤枝庚申サマヘ行ッテ来イトイウ。若シ天気ヨケレバ往カント僕モ思ウ。今日ハ蛤、蓴(じゅん)サイ。美味ナリキ。人中ノ湯ニ入ル。算術ヲ勉強、○○(?)ヲ読ミ九時頃就寝。人中ノ湯ニテ國太郎君ト会イ○ミナ話ヲナス。 ◎朝鮮各地ノ学生等ハ(暴徒)基督教宣教師其他に扇動せられ「万歳万歳」と叫びつヽ示威運動ヲなせり(我国ヨリ独立せんと) ーーーー


日記中の「庚申さま」とは日本各地でみられた庚申の日のことだろう。庚申の日とは中国の道教に端を発する十干十二支に基づいた信仰で、60日ごとに訪れるこの日、徹夜して眠らず、身を慎めば長生できるというものだ。大正時代くらいまでは、庚申の日はお寺や村々の庚申堂などに人が集まり、徹夜するという集まりも盛んに行われていたそうだ。日記の男性は、そこに行ってこいと言われたのだろう。 日記の最後の「朝鮮各地~」は、この年の3月1日より朝鮮各地で起こった日本からの独立運動について記述したものだ。この独立運動は数ヶ月に渡って行われ、これに対し朝鮮総督府や、警察や軍隊を投入し鎮圧を図った。運動はほどなくして終息したが、韓国ではこの一件を三・一運動や万歳事件とよび、民族独立の記念碑的なものと位置づけ、運動の始まった3月1日を三一節として祝日に指定している。


【大正8年 主な出来事】 1月 白ロシア・ソビエト社会主義共和国樹立  3月 中央線の万世橋~東京駅間が開通  3月 朝鮮各地で独立運動(三・一運動)が行われる  4月 ガンジー、非暴力抵抗運動を開始  6月 第一次世界大戦の戦後処理として1月より開かれていたパリ講和会議開催にてヴェルサイユ条約締結  8月 デパートの高島屋、松屋、白木屋が開業  10月 米議会が「禁酒法」を可決

<時間旅行>戦前日本の日記
バックナンバー

その他のJAPAN CULTURE

ページトップアンカー